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ニュージーランドでの日々を書いています。

ワーホリに行った女が結局日本食屋で働いてる話

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今度こそようやく本当にブルーベリーファームに別れを告げ、6月下旬、我々は昨年末まで住んでいたシティに再び戻って来た。

私の新しい勤務先はいわゆるジャパレスである。
ワーホリに行く前、留学エージェンシーの方々はこぞって言う、「結局ジャパレスでしか仕事せず英語力伸びずに帰ってくる人も多い」と。
ジャパレスで働く=ワーホリ失敗例、みたいな感じで。
せっかく英語圏にいるのに、日本語である程度仕事ができてしまう環境はよろしくない、と。
それはたしかに一理ある。せっかく来ているのだから、仕事中も英語環境に身をおけば英語力は格段に伸びる。英語力という面で言えば、現地のカフェなりレストランなりで働くべきであろう。

だが、生活力低めの物ぐさ人間にとって、ジャパレス勤務には明確なメリットがひとつある。

”賄い”である。

回数は店にもよるが、だいたいのレストランやカフェは賄いがついている。店のメニューから選べる店もあればその日の食材次第で違うものを作ってくれる店もある。
そしてジャパレスで働けば、日本食にありつける確率が格段に上がるのである。


私が出会った留学・ワーホリでNZに来た人たちの中では、総合的にはNZの方が日本より好きな人、やはり日本のほうがいいという人、だいたい半々くらいだった。しかしどちらの人も必ず言うのだ、「でもやっぱご飯の美味しさは日本が一番」と。(これはNZの食のレベルが低いとかではなく、慣れも大いにあるとは思うが)
数ヶ月で帰るならともかく、長期間海外に留まるのであれば日本食が恋しくなるのは必然。日本食品を扱った食品店や日本食屋もあるけれど、毎日買えるほど安くはない。それがジャパレスで働けば、少なくとも一日一食はお米料理が食べられるのである。

100%英語環境で働く人はすごい。その向上心があれば英語力は間違いなく伸びる。いい経験もできる。
満足のいく食事を自炊できる人はすごい。そのスキルがあればどこでも生きていける。節約もできる。
しかし「英語圏に到着したところで向上心は力尽きた、日本食が恋しい、しかし懐も寂しい」という私のような生活力も根性も財力もさほどない人間であっても、頑張りすぎなければワーホリは続けられる。
「ずっと英語環境はしんどい!」と思ったら日本人のいるシェアハウスを日本人用掲示板で探せばいいし、「日本食に定期的にありつきたい!」と思ったらジャパレスで働けばいいのだ。
そして精神に余裕を作った状態でyoutubeなどで英語表現を勉強して周りの外国人に話しかけ、機会を伺いながら「ここだ!」のタイミングでそのフレーズを繰り出してみればいい。
目標に向かって頑張れる人は素晴らしいけれども、頑張りすぎて壊れるよりは回り道を取ったほうがいい。
「これがだめだったらこうしよ」というプランB、Cを持っておくことは、ワーホリに限らずとても大事なことだと思う。これはロックダウン中に「これがだめだったら野宿やないかい」思考になりかけた私の、血の滲む学びである。


ちなみに私は現在、(恋人を除いて)ほぼ日本人しかいないフラットに住み、半数以上が日本人スタッフの日本食屋で働き、まかないで日本食を食べている。
もうほぼ日本やないかい。
留学エージェンシーの方々が見たら卒倒するレベルの「ド失敗ワーホリ例ど真ん中」であるが、全然頑張っていないからこそ、隙間時間に文法を確認したり、気分のいい時に英文を読んだりしながら、嫌にならずに2年近く英語学習が続けられている(進行速度は亀レベルだが)。
私にとっては英語学習が「効率的」より「嫌にならない」ことが大事だったのだ。これも人によると思うので、自分なりの道を探せばいいと思う。


さて、そんな感じでNZにいるにも関わらず日本人に囲まれてぬくぬくと幸せに暮らしていた私であったが、2021年8月末からデルタ株が国内に現れまさかの再ロックダウンとなり、まあ1ヶ月程度で終わるっしょ!とタカを括っていたら最終的に11月までロックダウンが続き、28歳にして人生最長の長期休暇を手に入れてしまった。

再度のロックダウンに備えて予めRing Fitを買っていた私はしばし無敵スターを取ったマリオ気分でいたが、
3週間を超えたあたりで体がチカチカしだして、1ヶ月後には普通の赤い配管工おじさんに戻ってベッドの上で大の字になり虚無顔で寝転ぶこととなった。人は暇を与えられすぎると一周回って眠れなくなるのだと、一年ぶりに思い出した。就労中の休日なんて一生寝られるような気がするのにな。

 

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仕事にも行けず友人にも会えず遠出もできず、気が滅入ることもなくはなかったが、少なくとも仕事に行けない間は政府から補助金が下りるし、今回は幸運にもその網の中に入っている。所持金を見つめながら青い顔で政府会見の中継を見つめていた昨年より状況ははるかにマシだ。プランBやプランCを用意しておくことは大事だが、どのプランが壊れても「まあなんとかなるか」と思える程度のお金があることもとても大事である。


youtubeでエクササイズや英語学習、スマブラの特訓(ちなみにマリオは使ったことがない)など、どうせだったらロックダウン前より己をアップグレードしたる、の気持ちで鍛錬(?)に勤しんでいた11月末、ロックダウンが緩和されることとなり、12月からワクチン摂取証明を見せればレストランでの飲食が可能になることが発表され、ようやく私は職場に戻った。
そして戻った初日にいきなり10時間勤務をした結果普通に体調を崩し、時期が時期だけにコロナを疑って検査まで受け、結果が出るまで結局そこから1週間休んだ。最終的にただの風邪だったのだが、我ながら本当に耐久性がカスである。3ヶ月休んだ末に1日出勤して体調崩して1週間休みって、100均の靴下より耐久性が低いんじゃないか。

散々迷惑をかけて復帰したあとも数日間は数時間の出勤で足がパンパンになり、メディキュットが手放せなかった。
最近はようやく足が慣れてきてメディキュット離れしてきていたところで、ここにきてオミクロン株の登場である。本日シティ内での市中感染も確認されたので、なんとなく既にうっすら嫌な予感はしている。何をとは言わないが、不意に時間ができた時用に再びリングフィット用コントローラーを部屋の隅に設置し、当分は使用頻度が低いことを祈っている。

これはNZ生活を後々振り返れるように書きはじめたブログで、本日の更新を持って時制が現在に追い付いてしまった。おそらく本日が年内最後の更新になると思うのだが、来年からもNZ生活をポツポツと垂れ流していこうと思う。

見ていただける方は引き続き、どうぞよろしくお願いします。

 

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