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ニュージーランドでの日々を書いています。

ワーホリ女がワーホリ先でコロナに振り回された話

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お久しぶりです。
1月下旬からダブルワークを始め、2月は全然ブログを書く時間がなく、3月に至ってはなんとコロナにかかっていました。
私の場合は幸運にも軽症だったので風邪のような症状で済んだし別に誰の参考にもなりはしないと思いますが、記録として書いておこうと思いますのでご興味のある方はお付き合いください。

 

2月中旬。
この時はNZにもかなり感染者数が増えてきて、私もブースター接種打とうかなァと思っていた時にちょうど私の職場が1週間ホリデーとなることが知らされ、じゃあこの期間に打って副反応に備えるか、などと考えていた頃であった。
私と恋人はともに2回目までのワクチンは終えている。私は3回目の接種を希望していたが恋人は自身の3回目の接種には消極的であったため、ブースター接種は私だけが受ける予定だった。ホリデーの時にワクチンを受けたい旨を伝えると、彼は週末以外基本的に夜まで仕事をしているため、「平日に打たれると看病ができないから金曜日に打ってくれ」と言われ、私は金曜にちょうど友人とランチに鍋を食べる予定だったので、その帰りにワクチンを打つことにした。友人には「鍋やった帰りにワクチン打とうとする人、珍しいね」と言われた。多分それはそうだろう。


しかしその金曜、私が友人と会っている間に恋人から「体調が悪い気がする、コロナかもしれない」とのメッセージを受け取った。
今かよ!!!もう友達ともレストランでマスク外して喋っちゃったよ!!!
と思わなくもなかったが、まあコントロールしようもないことだから仕方がない。彼が本当にコロナで倒れている時に私がワクチンの副反応で倒れているのは違うだろと思ったので結局ワクチンは打たず、友人の勧めでドラックストアにてスポーツドリンクや冷えピタを買って帰宅した。友人に至っては自分が今まさに会っている人間に濃厚接触者疑惑が出ているというのに、わざわざドラックストアまで付き添ってくれていた。持つべきものは友である。

結局その日、恋人は調子が悪いと言っておきながらきっちり定時まで仕事をして帰宅した。日本ならいざ知らず、NZではめずらしいタイプの社畜人間である。そして翌日の土曜にはケロリとした顔でゲームをして、日曜日に「調子悪かったのは気のせいだったみたい!」と高らかに宣言した。……まあ、なによりである。心配させた友人にも報告メールをして、その時はそれで終わった。

そしてその翌週は恋人の誕生日だった。実は母国にいる恋人の家族が、彼に向けてプレゼントを1ヶ月も前から速達で送ったにもかかわらず、郵便局員の手違いでその荷物は速達でなぜかハワイに届いており、しかもこの計画はサプライズであったので私の恋人は何も知らず、彼の妹と私だけが影でやりとりをしつつアワアワしたり残念がったり毎日荷物を確認したりしており、結局誕生日までには届かなかったというなかなかのカオスっぷりを呈していた。まあ最終的にサプライズにさえなれば当日じゃなくても喜んではもらえるだろう、とりあえず届くのを待とう。

…と我々が結論づけたその数日後のことである。


「体調が悪い気がする、今日は休む!」
と宣言して彼が朝から仕事を休んだ。そのセリフ先々週も聞いたぞと思わなくもなかったが、どちらかというと仕事人間の部類なので朝から仕事を休むというのはかなり珍しいことである。先々週の事例があるのでいったん丸一日休んでもらい、翌日も具合が悪ければ検査するかなと思った。
この時点でNZの1日の新規感染者数は平均2万人であった。人口500万人しかいない国で1日につき2万人というのはなかなかのハイスピードだし、まあいつ来ても不思議ではない。PCR検査も結果まで1週間待ちと言われており、人によっては結果を待っている間に隔離期間の方が先に終わってしまうレベルである。
ただ、この頃ちょうど3月からRATテストという簡易検査が入手できるようになっていた。Webサイトか電話で事前申し込みをして、センターまで取りにいくシステムだ。翌日も彼の調子が良くならなかったので、問い合わせて簡易検査キットをもらいに行ったら計6つのキットをもらった。え?なんで6つ?と思いつつ帰宅して調べると、どうやら当日・隔離期間3日目・隔離期間10日目ぶんらしい。政府の対応もその時に応じて変わっていくので、もはや窓口では説明せず後で各自ネットを見てもらう形式を取っているとのこと。現時点で既に仕組みは変わっているかもしれないが、少なくともその時はこんな感じだった。もうだいぶ投げっぱなしである。

そして簡易検査をしたところ、彼が陽性で私が陰性だった。
今度はマジなんかい!!
と思わなくもなかったが、まああの一回の謎のフェイントも別に本人のせいではないので致し方ない。体調不良に敏感なのは特にこのご時世良いことである。お互い職場に連絡をして、フラットオーナーにも連絡をした。フラットにはオーナー夫婦ともう一人フラットメイトがいるが、陽性が一人出た時点で全員が濃厚接触者になってしまうため、全員10日間の隔離となり、仕事にはいけなくなった。買い物もできるだけ控えるようにとの指示だったが、全員10日間買い物をしないのはほぼ不可能だったので、週一回オンラインでオーダーしたものをオーナーが車で全員分スーパーまで受け取りに行ってくれた。ありがたい。

そして恋人はこの時点から部屋から出られなくなったため、私が全てを行うことになった。私は陰性だが、他に部屋の空きもないし彼と同じ部屋で過ごすわけだし同じベッドで寝るわけだし、いつ陽性になってもおかしくない。共有部分ではマスクをし、手の消毒、触ったものにも除菌スプレーをして、食器は皆のものと分け、食事は部屋にトレイで持っていく。寝るときも一応マスクをしたが、まぁあまり意味ないっちゃない。
自己隔離3日目くらいから私にも頭痛の症状が現れたため2回目のRATテストをしたのだが、結果はまたも陰性だった。あくまで簡易テストなので、2割くらいの確率で結果が間違っていることがあるらしい。とはいえ8割くらいは正しいはずなので、このタイミングでただの風邪である可能性もなくはない。だとしたら空気を読め。絶対に今じゃないだろ。彼が部屋から出られないし、私も体調が良くはないのに陽性ではないので、ヨボヨボしながら食事を作って部屋まで運んだ。ちょっとした老人介護状態である。
ちなみに鍋の時に持ち上がったコロナ疑惑で買っておいたスポーツドリンクと冷えピタだが、結局ほとんど私が使った。未知のものは食べない、飲まない、使わないのが恋人の信条であった。たとえそれが恋人である私が体調不良に効くからと差し出したものであったとしてもだ。詐欺に引っかかるリスクは低そうで何よりである。思い遣りは空振りとなりちょっと虚しい気がしなくもないが、少なくとも私の早期回復には役立ったので結果的にはあの時買っておいてよかった。私が私に救われた。


私の症状は主に喉の痛みと頭痛が3日間、鼻水と食欲不振が2日間という感じだった。彼は発熱と鼻水が2日間、あとは喉の痛みと咳がしばらく続く感じだった。しかし最初に陽性反応が出てから5日、彼の方はもうあと咳くらいかなと思っていたところで彼から「味覚がない気がする」と言われた。私が個人的にコロナで恐れていた症状がこれである。ええ…そんなの絶望やないかい…と食べるのが好きな私は勝手にショックを受けたが、元々食事にそこまで執着のない彼はあまり反応を見せず、なんなら味覚がない間であっても私よりよく食べていた。よくその状態で食欲あるな…いや良いことだけど…偉いけど…。

私の症状がピークを超えて頭痛も取れ、彼の味覚がなくなって2日が経ったところで、私が食事の準備をしていたときにフラットオーナーさんが「そういやなんか荷物届いてたよ」と大きな段ボールを持ってきた。差出先は彼の母国、そして差出人は彼の家族、中身は母国のお菓子である。
今かよ!!!!!
とこの1ヶ月何度目かわからないツッコミをしてしまった。2月後半の彼の誕生日に向けて1月の後半に速達で送られた荷物が間違ってハワイまで行ってようやくNZに届いたのが3月上旬でしかも中身が食べ物で本人は2日前から味覚を失っている!もうてんこ盛りすぎてどこからつっこんでいいのか分からない。どこからつっこんでいいのか分からないがとりあえずこれを持っていくのは今ではない気がする。フラットオーナーに事情を話していったんリビングに荷物を置かせていただき、彼の妹に相談のメッセージを送った。返信を待つ間にそのへんにあったラムネを一粒渡して食べさせてみる。唐突にラムネを一粒渡され食べろと言われ、完全に不審な顔をしつつもとりあえず食べた恋人は真顔のまま「味はしない」と言い、私は崩れ落ちた。2ヶ月かけて届いた母国のお菓子を食べるタイミング、絶対に今じゃない。

その翌日、彼の妹からの返信で「母がもう渡しちゃえばって言ってる、懐かしいもの食べたら味覚戻るかもしれないし」とあり、そんなディズニー映画みたいな展開になるか〜いと思いつつも箱を持って部屋に入った。彼は大変喜んで箱をあけ、わーい!と口に一つチョコレートを放り込み、嬉しそうにこう言った。
「あまーい!」
戻るんかい!!!!
そんなことある?!激しくずっこけたが、まあ喜ばしいことには変わりない。私のブースター接種も彼の誕生日プレゼントもコロナ発症も全てタイミングが悪いように見えたが、ブースター接種せずに買い物して帰ってきた時の品物のお陰で買い物しづらい環境下でも私は無事生きながらえたし、誕生日プレゼントが遅れたおかげで味覚もすぐに戻ったのだし、結果オーライではないか。とは言いつつやはりブースター接種を受けておいて健康に看病に集中したほうがよかったのではないかと思わなくもない。あの本コロナ前の弱めのジャブみたいなのは結局一体なんだったんだよ。

最初の発症から1週間、もうお互いすっかり平常通りに戻り、症状といえばたまに咳が出る程度のところまで来て、フラットオーナーが「もう1週間経ったし毎回ぜんぶ消毒するのも大変でしょう、君が今も陰性ならもう少し対応緩めていいんじゃない?」と余っていたRAT検査キットをくれた。そうですねえと言いながらキットを受け取り、部屋でやってみることにした。ちなみにRATテストは鼻に棒をつっこんで粘膜を取ったものを検査液に入れ、キットに垂らして15分待つ。私はこの鼻に棒を入れ粘膜を取った直後に毎回連続4回くらいクシャミが出る。
15分後にキットを見て、線が一本出ていれば陰性、二本なら陽性、0本なら測定不可でやり直しだ。さて今回の結果はと見てみると、線が二本出ていた。先述した通り、線二本の場合は陽性である。

 

もう一度言おう。
陽性である。

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今かよ!!!!!!
もう何度目か以下略。ほぼ完全に症状が収まり、オーナーさんも善意でテストを提案してくれたというのに、感染防止対応をより強化するべきな結果が出てしまった。というかこの場合、単純に2回目(体調不良時)のテスト結果が間違っていたのか、2回目にテストした時は本当にただの風邪で、抵抗力が弱ったところで彼のコロナがうつって7日目の今陽性になりかつ無症状なのか、もしくはこれからまた症状のピークがくるのか、もう全然分からない。明確に分からないぶん彼よりタチが悪い。私はここから何日間隔離なんだ???

とはいえ、NZのルール的には最初の陽性者が陽性になってから10日経ち、もう一度RATテストをして陰性だった人は他に陽性者が増えているかどうかに関わらず、自分の体調がよければ仕事に復帰できることになっていた(ちなみにこのルールは我々の隔離期間が終わる前に改正され、隔離期間が10日から7日に短縮された。隔離者が多すぎて社会インフラが回らないからである)。つまり私が今陽性になったとしても、ここから気をつけなければいけないのはもはや私一人なのである。皆は日常に戻れるのだ。な、なんかずいぶん扱いが違いませんか…い、いや皆様の日常生活のお邪魔をしなくて済むのはとても良いことなんですけれども……ゴニョゴニョ……。

そんなこんなでしばらく様子を見ていたのだが、フラットオーナーもフラットメイトも引き続き陰性で自宅待機は解除され、彼は軽い咳はたまにあるものの一足先に陰性となり、私も特にそれ以来体調が悪化することもなく、先日ついに陰性に戻った。とりあえずこれで私たちのコロナは終わった、と思って良さそうだ。幸運にも悪化はせず、身の回りにも私たち以外に感染者はいなかったが、体感としてはとても長い10日間だった。

今回一つ思ったことは、今回のように対応が日々変わるような病気が巷で流行っている場合、病院あるいは検査キットがもらえるところはどこなのか、具合が悪い時にまずどこに連絡するべきなのかを健康のうちに把握しておくことが結構重要だということだ。日本でもそうだとは思うが、特に海外にいる場合、頭痛などを抱えたまま英語のサイトを読んでも目が滑るし、電話では機械音声で「○○の症状の方は1を〜」的な案内をされて○○の部分の英単語が聞き取れずボーッとしているうちに電話が切れるし、もうとにかく症状によっては普段の3倍は英語が聞き取れないと思った方がいい。いつポンコツ化しても大丈夫なように、できる限りシンプルに「まずはここに電話、検査キットはここでもらう」等、情報を自分で整理しておいた方がいい。最終手段としては英語が喋れる日本人の友達に助けを求めることがあるが、これは迷惑をかけてしまうのであくまで最終手段である。(でも本当にしんどい時に頼れる友達がいるというのは大事なことだ、海外生活においては特に。)


さて、部屋に引きこもりっきりの状態からいきなり仕事に出たら一瞬でまた体調を崩し筋肉も死ぬ自信があるので、今から私は散歩の準備である。こちとら10日間スマブラポケモンアルセウスとFFピクセルリマスターしかやっていないのだ。バーチャルでは相当経験値を積んだが、現実世界での歩数はほぼ2桁台の日々であった。でも見えない相手と戦っていたことは事実であるわけだし、なにがしかの経験値はリアルでだってきっと貯まったはずである。と、信じたい。
ひとまずは、ほぼゼロとなった筋肉のレベル上げに勤しみます。では!