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ニュージーランドでの日々を書いています。

ゲームオタク×2が国際恋愛する話

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卒業後、元クラスメイトと恋人になった。
そう、あの同じ日に入学した非友好的オーラ全開の学生である。

私も決して明るく友好的とはいえない部類の人間なのだが、そんな非友好的な人間同士がなぜ仲良くなったのかというと、英語だらけの環境に脳が疲れきっていたところお互い全く相手が話しかけてこないのでひとまず避難場所として近くにいたのと、「ゲーム」という共通の趣味があったからだ。

ある日俯きながら同じテーブルで(無言で)ご飯を食べていた際、共通の友人(社交的)に同時に遊びに誘われた。
私にはテンションが上がるとオタクアイテムを身につける習性があるのだが、以前友人達と沖縄に行った際にウキウキでジョジョのミスタTシャツを着て行ったら
「沖縄の女子4人旅でジョジョTシャツ着てくるやつおる⁈ミスタの圧つよ‼︎
と言われて(そうか違ったか…)と己のTPOを省みた記憶があり、少し考えたのち今回は任天堂コラボのTシャツにしてみた。オタクなことには変わりないのだが、Tシャツとしては圧がそこまで強くないだろう、というTPOが死にかけている人間なりの微々たる配慮のつもりだった。

そして当日、そのゲームオタク全開Tシャツを着てルンルンで現場に行ったら、待ち合わせ場所に同じく任天堂のゲームオタク全開Tシャツを着た彼がいて、お互い((うっっっっわ))とまあまあ衝撃を受けたのである。

NZ来て初めての友人達とのおでかけデーに任天堂Tシャツ着る奴、私の他にもいるんか。
と己を棚に上げてちょっと引いた。(多分相手もちょっと引いてた)
ただお互い「同じニオイのする奴」として認識をしたのは確かで、それ以降なんとなく一緒に行動するようになり、一緒に遊ぶようになったのだった。


もともとゲームだけでなくアニメも好きな彼は私が同類と確信した後、最初の無愛想ぶりとは打って変わってよく話しかけてくれたのだが、

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毎回予想の斜め上の知識を披露し私をしばし圧倒させた。
いやそれ日本人でも下手したら半分くらいは知らんぞ。

 

よく日本人同士のカップルに聞かれる質問に、「外国人と付き合う時って告白とかあるの?」「意思疎通とかどうするの?」の2つがある。


前者に関しては人によるらしいが、私たちの場合はあった。
ただその時の言い回しが「Do you want to be my girlfriend?」で、当時の私は"want"が誘いの意味で使われることを知らず、日本の教科書でよく使われる"したい、欲しい"の意味で受け取ったため、
訳:お前は俺の彼女になりたいのか?
だと受け止め、(なんだこの俺様野郎は?)としばし呆然とした。
そして「そんな言い方があるか」とその場でキレて相手も呆然とした。

その後話していくうちにお互い相手の呆然顔の意味を理解したのだが、あとで調べたらこの勘違いはわりとあるあるらしく、皆クラスメイトや友人の突然の上から目線に困惑していた。
海外に来たら意味がわからない単語ばかりを調べがちだが、知ってる単語の他の意味も調べておいた方がいい、とこの事件で学んだ。
私の知識不足のせいでキレられた恋人、かわいそう。(他人事)


そして意思疎通に関してだが、お互い母国語ではない英語で話しているため100%の理解はできない。ただ元々学力テストで同じクラスに振り分けられているだけあって英語力はだいたい同じくらいなので、多少時制が違っても単語が間違っていても通じはする。
そして勘違いしてはいけないと思うのは、たとえ日本人同士でも100%の理解なんてできないということだ。
言葉が一緒だって文化が一緒だって、家庭環境や個人の思考の違いはある。
私の場合、友人同士ではそれが尊重できても、恋人相手ではそれをつい忘れてしまいがちになる。
この点に関してはおそらくもう少し精神の鍛錬が必要なのだろうと思うが、少なくとも彼相手には、その彫りの深い顔を見るたびに(あ、そうか違う人間だったわ)とすぐ思い出すことができる。顔の凹凸に差がありすぎて冷静になれるのだ。
ええこちとら平たい顔の奥二重、ついでに猫背ですどうもすいませんでした。

文化が違うことに苛立つこともあれば面白いと思うこともあり、それらはお互いの感情や見方の問題であり、ケースバイケースだ。
「文化が違う」ことそのものがマイナスになったり障壁になることは、今のところ、我々の場合はない。
そして言葉が違っても文化が違っても、家庭環境や個人の思考が違っても共有できるものはある。
今後のことはわからないし、共有できなくて悲しくなる時もあるが、ひとまずは共有できるものを大事にして、増やしていけるといいと思う。

例えばお互いが知り合う前にやっていたゲーム内の音楽とか、
知り合った時の共通の友人とか、
知り合った後に作っていく思い出とか。
世界共通のポケモンセンターのメロディを口ずさむご機嫌な恋人を見ながら、
そんなことを思うのであった。