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ニュージーランドでの日々を書いています。

引きこもり色白女が絶景アイランドに旅行した話

3日目は今回の旅行のメインとも言える、アイツタキ半日ツアーである。
クック諸島に行ったらアイツタキには絶対行かないと‼︎と色々なところで書かれていたのでとりあえず日程に組み込んだのだが、大正解であった。先人の言うことは聞くに限る。
とにかく綺麗な島だったので、今回はイラストよりも写真多め(※当社比)でお届けする。

アイツタキ島はラロトンガ空港から小型ジェット機で40分ほど飛んだところにある。40分ってまぁまぁあるなー、と思いつつ窓から外を眺めていたら、ちょうど雨上がりで虹がかかったアイツタキ島が見えてきた。



こ れ は 絶 景 の 予 感 ‼︎

出だしから虹背負ってるとは思わなんだ。ちょうど雨上がりというタイミングの良さも含め、この島ではなにか素晴らしいことが起きそうな感じがする。アニメ24話のラストで初回オープニング曲が流れた時並みのワクワク感があるではないか。一体何を言っているんだ私は。


とにかく小型ジェットから降りて、今度は小型のオープンバスに乗りながら島を見て回る。小さくて素朴な島であることは変わりないが、全体的に小綺麗で、高級コンドミニアムらしきものも多い。ハネムーンに人気だというのも頷ける。
そのあとは船に乗って、周囲の小島を巡りながら船上ブッフェを楽しむ。海の透明度がプール並みに高いので、船の上からでも海を泳ぐカメがくっきりと見えるほどだ。


ちなみにこのツアー、シュノーケル道具は貸し出しだしランチも飲み物もついていて料金も前払いなので、水着を最初から着ていけば持ち物はほぼ不要である。シュノーケルスポットに到着したら船が止まるので、ゴーグルや足ビレを貸りて船からそのまま海にドボンと飛び込める。なんだこれは最高か!海に飛び込んでいく人たちの笑顔がキラキラしている。私もキラキラしよ!とはしゃいで海に飛び込みかけたが、直前で自分の水泳スキルを思い出し、いったん浮き棒を借りてから真顔で足先から慎重に入った。ダサくて結構、安全第一である。

私は小学生時代から「寒い」というシンプルな理由でプールの授業が本当に嫌いだったのだが、水温は快適、魚も多くものすごく快適なシュノーケリングだった。しかも陸に上がれば太陽がぽかぽかですぐ乾く。こんなんなんぼ海に入ってもいいですからね、と私の心の中で芸人が話しかけてきたが、その通りである。こんなん何回でも入りたい。
途中上陸する島もザ・南国、という感じの島々で、現地ガイドのお兄さんにココナッツの割り方などを見せてもらいつつ楽しく過ごした。船の上ではスタッフ達がウクレレのような楽器を演奏しながら歌を歌い、最後まで楽しんでツアーを終わることができた。アイツタキ島ツアー、控えめに言って最高である。


夕方、小型ジェットに乗ってラロトンガ空港に到着し、そこからタクシーで今度はポリネシアンダンスのブッフェ会場へ向かう。本当はダンスとツアーは別日に組んでいたのだが、我々の行った時期はまだお客さんが少ない時だったので、観客席の都合で日程が変更になり、急遽盛りだくさんな1日となってしまったのだ。
ダンスショーは素晴らしかった。島の男性たちの打楽器に合わせた大迫力の踊りと、女性たちのフラダンスのような優雅な動き、それを照らすカラフルな照明も合わさって圧巻のステージであった。クック諸島に旅行に行くのであれば、アイツタキへのツアーと併せてポリネシアンダンスショーもぜひおすすめしたい。

翌日は特に予定のない自由日にしていたのだが、道中看板で見かけた「ナイトSUP」という看板が気になってホテルに帰ってから予約してみた。夕方からサップ(ボードに乗ってオールのようなものを漕ぐアレである)を漕ぐのだが、写真を見るとボード下に何やらライトが付いており、夜になると青く光りながら水に浮かんでいるのである。
明かりの少ない島で夜に海に浮かぼうものなら誰かが万一水中に落ちても見えないため、普通に安全のためにライトをつけたのだとは思うが、「足元が青く光るなんてFFっぽくて最高じゃん!ヒュウ!」と単純な私はすぐに予約した。現在進行形の厨二病である。


さて予約した時はさっぱり忘れていたのだが、私は体幹がヒョロヒョロである。運動神経も悪ければバランス感覚もなく、昔やっていたWii Fitには定期的に「体が ふらふらしています」と怒られていた体幹の持ち主なのである。青い光に飛び込む虫のような勢いで予約をしたが、揺れ動く海の上でボードに立つことなんて果たしてできるのだろうか。現地に行ってボードを見下ろし、私は初めて不安になった。遅い。

結果として、ボードに立つことはできた。海に落ちることもなかった。が、盛大に出遅れた。他のグループが対岸の小島に到着し始めている時、私は今来た島と今から行く島のちょうど中間にいて、生まれたてのヤギ並みに足をガクガクさせながらオールにしがみついてメェェと泣いていた。

ていうかワタクシ未経験って言ったのに颯爽と置いていかれましたけど‼︎ 普通スタッフ2人以上居たら最前と最後尾に付くもんじゃないですか⁈ 誰か助けて‼︎メェェ‼︎
ちなみに同じくサップ初心者だったはずの友人は速やかにコツを掴んでスゥッと進んで行き、膝を震わせる私を発見して方向転換しまたオールを漕いで戻り心配してくれる余裕すらあった。同じ初心者スタートでこの差はなんなの⁈メェェ‼︎
途中スタッフが1人来てくれたと思ったら、スマイル!と微笑みながらカメラを構えてきた。こちとら撮影用の顔を作るどころではなかったが何とか笑顔を捻り出したら、親指をグッとやってまた消えて行った。だから助けてってば‼︎


その後ボロボロになりながら小島にたどり着いた。先頭集団をかなり待たせてしまったはずだが、皆ボロボロのヤギを温かく迎えいれてくれた。そこからしばらく島を散歩し、スタッフによるファイヤーショーも楽しみ、完全に周囲が暗くなってから再びサップに乗って元の島へ戻る。
この時初めて多少の余裕が生まれて下を見た。ライトに照らされた海は青く光り、たまに通り抜けていく魚を照らす。上を見れば街灯やネオンライトに邪魔されない満点の星空がある。
あれ、これもしかして厨二病じゃなくても最高なのでは?
思ったよりめちゃくちゃロマンティックなのでは??

帰りはそこまで先頭に遅れを取らずにオールを漕いでいけた。なるほどこれはハマる人がいるのも頷ける。慣れてきたらなかなか楽しい。厨二病心で予約したナイトサップだったが、期待以上の夜となった。

翌日はお土産屋を回り、夜の飛行機でニュージーランドに帰国した。ちなみにその日はまたナイトマーケットがあると滞在中のホテルのスタッフから聞いたので、ピザ屋のおじさんにお礼を言いに行こうかとマーケット開始時刻まで近くの海辺でナマコを眺めながら時間をつぶしていたのだが、結局ナイトマーケットはやっておらず、最終日の貴重な数時間をナマコで潰すというまさかの展開となった。ないものを待っていたパターン2回目である。スタッフゥーーー!!となったがまあ仕方がない。今やそれも良い思い出である。ナマコ意外とかわいかったし。

クック諸島は私の中で、またぜひ行きたい場所の一つとなった。
お金を貯めて、また優しい島の人々と犬たちに会いに行きたい。